米国家庭医療の指導医から得た学びについて。頴田病院では、飯塚・頴田家庭医療プログラムの一環として、米国家庭医療の指導医を定期的に招聘しています。

〒820-1114 福岡県飯塚市口原1061-1

電話 09496-2-2131

ピッツバーグからの学び

#002 “Dementia” ―ピッツバーグ家庭医療学教授の講義より―

さて、第2回は、ピッツバーグの認知症に関するレクチャーからの学びをお伝えします。

ピッツだより② ”Dementia” ~ピッツバーグ家庭医療学教授の講義より~

8月5日、ピッツバーグ大学家庭医療学教授のDr.South-PaulがいらっしゃってDementiaのレクチャーをされました。女性教授として家庭医療学をリードし、Current Diagnosis & Treatment in Family Medicineの編集もしている先生の語る、Dementiaのポイントとは?

(なぜ認知症を診断する必要があるのか?)

  1. 可逆的な原因をみつけるため
  2. 薬物治療により、症状の進行と行動障害を減らし、ヘルスケア利用を節約するため
  3. 非薬物的治療により問題行動を減らすため
  4. 介護者・関係者に対し、認知症患者に対処する戦略を訓練するため

4に関し、認知症患者の介護者の苦労とケアのポイントを書いた,家族向けの良書として”36-hour day” を勧められました。

(認知症の診断は?)
・必ず、家族に病歴を確認する
-だって、本人は本当のことを言わないのだもの!!

・認知症状のベースラインを評価する

(アルツハイマー型認知症のスクリーニングセット)

※ 特に60歳以下の患者では、頭部CT・MRIは撮影しなければいけない
※ 重金属は、職場・土壌環境から鉛暴露などを疑うとき

(MMSE と IADL/ADL の相関関係)

認知症患者のMMSE スコアから、IADL,ADL の障害を予測することができる。
MMSE が5 点だったら、患者さんが自分で食べられると言っていても疑わしい。。
→家族にチェック!!

25~15 点(発症4 年以内)
 ⇒約束を守れなくなる、電話を使えなくなる、食糧を調達できなくなる
20~10 点(発症2~6 年)
 ⇒ 一人で旅行できなくなる、電化製品が扱えなくなる、持ち物を見つけられなくなる
20~5 点(発症3~8 年)
 ⇒ 服を選べなくなる、着衣できなくなる、整容できなくなる、趣味を続けられなくなる
 ゴミを片付けられなくなる
15~4 点(発症4~8 年)
 ⇒ テーブルを片付けられなくなる、歩けなくなる
12~2 点(発症6~9 年)
 ⇒ 食べられなくなる
出典:Adapted from Galasko D, et al. Eur J Neurol. 1998;5(suppl 4):S9-S17.

(おすすめ、Clock Drawing Test)

  1. 円をきちんと閉じて描けるか
  2. 12 個の数字をすべて描けるか
  3. 数字を円内の正しい位置に描けるか
  4. 針は正しい位置にあるか

(認知症のマネージメント)

(介護者の負荷)

健康面: ストレス、睡眠障害、つかれ、不安、うつ
社会面: 孤独、家族や友人と電話したり過ごしたりする時間の減少、社会参加の減少
経済面: 退職、非雇用の介護時間、生産性の減少
※ 日本では娘さんばかり介護しているのではないですか?と聞かれ、会場苦笑い・・・

(最後に)

Dr.South-Poleは、会場の指導医・レジデントに対し、”自分の家族を介護したことはありますか?”と尋ねました。
誰も手を挙げないのを見て一言。

”That's so stressful.”
”The most important therapist is the caregiver, never you.”
”We just do the best for them as a physician.”
そして締めくくり
”家族が80歳を超えれば、25%が認知症になります。あなたたちもいつか必ずこの問題に直面します”
”寿命の長い、ここ、日本なら、なおさらですよ。。。”

(筆者所感)

South-Paul先生の体からは、いつもエネルギーが漲っている感じがします。そのレクチャーも、オバマ大統領の演説を見るようで、クリアな英語の一言一言に力がこもっています。

”The most important therapist is the caregiver, never you!!”

締めの言葉がかっこいいです。DVDで見返しても体が震えます。
移動のタクシーや講義の前後に話しましたが、冗談を言ったり、おなかが減っていないか気遣ってくれたり、とても気さくな方です。飯塚に来ていても、毎日散歩とジム通いを欠かさない、まさに健康増進のお手本です。

一緒にいられた2週間は最高でした。

この講義での、私の発見は3つです。

  1. MMSEである程度、ADLを予測できる(そのあと家族にも確認が必要でしょうが)
  2. 時計を書くテストは有用
  3. 認知症患者の運転は(改めて言われると)べらぼうに危険

医療法人博愛会 頴田病院

病院名称
医療法人博愛会 頴田病院
Hakuaikai Kaita Hospital
住所
〒820-1114
福岡県飯塚市口原1061-1
お問い合わせ連絡先
電話 09496-2-2131
ファックス 09496-2-0730
電子メール info@kaita-hospital.jp
診療科
総合診療科/小児科/整形外科/外科/眼科/耳鼻咽喉科/腎臓内科/リハビリテーション科/婦人科
診療担当表はこちら
診療時間
月曜日~金曜日 8:30~17:00
土曜日 8:30~12:30
診療時間の詳細はこちら
病床数
一般病床 32床
回復期リハ病床 28床
地域包括ケア病床 36床

当院へのお問い合わせはお電話・または電子メールをご利用下さい。

お電話・電子メールとも直接的に治療に係わるお問い合わせはご遠慮いただいております。予めご了承下さい。

電話 09496-2-2131
医療法人博愛会 頴田病院/〒820-1114 福岡県飯塚市口原1061-1

お急ぎでない方は、メールフォームをご利用ください。

頴田病院へのお問い合わせメールフォームはこちら